Waterfront Warehouse
150年もの間、マンハッタンの変遷を眺めてきたウェアハウスが生まれ変わった。
イースト川に架かるマンハッタンブリッジを望む水際で、齢150を超えるウェアハウスが新たな旅へと漕ぎ出した。150年前といえば、RCがまだまだ普及していない時代。マンハッタンにそびえる摩天楼なんて、計画すら持ち上がっていなかっただろう。
そんな時代に構造体を担っていたのは、見てのとおり褐色の煉瓦と木材だ。短いスパンで規則正しくフロアに根を下ろす大きな木柱に、綺麗なアーチを描く煉瓦壁。長い年月を重ねてきた素材が醸し出す色気を丁寧に扱いつつ整えられた現代的な空間は、過去と現在、2つの時空が混ざり合ったような不思議な印象を与えてくれる。
仕事をする上でもきっと、この空間の特異性は効果的に働くことだろう。「温古知新」という言葉があるとおり、クリエイティブの世界においても、新たなアイデアは過去から続く文脈の上に生まれるもの。歴史に敬意を払いつつ、自らのクリエイティビティを磨かんとする企業は、あえて年を重ねた空間にポテンシャルを見出してみるのもいいかもしれない。
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