“仮設”の運用
新しい何かが生まれる起点には、何かしらの“仮説”がある。それはたぶん、オフィスづくりにも言えるみたい。
中国の上海に誕生したオフィスは、工場をコンバージョンした三角屋根の大空間。天井のトップライトから空が覗く、清潔感のあるスタイリッシュな印象だ。空間自体のポテンシャルの高さや素材の扱い方など、注目すべきポイントは多いけど、中でも目を引くのは、内装材に用いられている仮設材だろう。工事現場で見かける単管パイプで作られた、手すりやベンチ、スタジアムを彷彿とさせる金網など、インダストリアルな素材が違和感なく空間に溶け込んでいるのだ。
常識をものともせず、柔軟に物事を眺めることは、クリエイティブな仕事においても重要なことだろう。
「インテリアに仮設材を使ったら面白いじゃないかな」
もしかしたらそんな仮説からスタートした“仮設”の運用は、見事に成功したと言えるだろう。
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