線引きの美学
扉ってそもそも必要?ブルガリアの建築家が手がけた空間には、いわゆる“普通”のオフィスと一線を画するアイデアが散らばっていた。
扉の数は必要最低限。その代わりに空間を仕切るのは、視線だけを遮るカーテンや、壁をくり抜いただけの開口部などなど。やわらかく空間を区切りつつも、匂いや音、他のスタッフの気配が感じられそうな健やかな空間だ。一方、扉がないことで床材の貼り分けにも面白い特徴が。部屋をまたいで共存するタイルや木などの異なる素材を境界として、各スペースの領域を区切ってみるのもアリかもしれない。目立たないように壁や天井の隅を走らせるはずの配線をあえて大胆に見せるのも、やり方次第ではお洒落な演出になるようだ。空間の区切り方、素材の貼り方、配線の通し方。なかなか難しい線引きをカジュアルにこなすこの空間、オフィスづくりの参考にしてみてはいかがだろう。
SHARE