○○モードで考えるための部屋
「仕事モードに入る」という言葉があるように、「モード」は何よりファッション業界だけの言葉ではない。仕事に没頭するには、そうしたモードに入りこませてくれる部屋が必要だ。
ケイト・スペード&ジャック・スペードのNYオフィスは、まさに仕事モード全開で誰でも生き生きと働ける雰囲気に満ちている。各部屋そのものが、ヴィヴィッドでファッショナブルな服をまとっているかのようだ。キャリー・ブラッドショーを想わせるガーリーな部屋から、異国情緒あふれる男の隠れ家的な部屋まで。足を踏み入れると、もはや自分の性別など自然と関係なくなってしまう。この業界において、性別を横断して思考を巡らすことはかなり大切だ。
それだけではない。落ち着いたクローゼット風のオフィスでは、服を試着したくてたまらない気分になるし、デパートを想わせる部屋では、買い手になった気分でいろんなアイディアが湧くに違いない。そうした部屋ごとのモードの移り変わりは実に巧妙に計算されており、それは単に観葉植物を置いてリラックスできるとか、車を置いてカッコよさをアピールするといった類の内装ではないことが分かる。
オフィスで毎日働いていれば、最初は斬新な内装でも、すぐに目の方が慣れてしまうのだし、日々斬新でいなければならないのは、社員の方なのだ。そのために最適な環境とは何かを模索した結果のオフィスだからこそ、人は白熱モードに入りこめるのではないだろうか。
SHARE